2022.03.31 ●米国防省は29日、核戦略の中期的指針となる「核戦力体制見直し(NPR)」の概要を、バイデン政権として初めて公表した。ロシアと中国の核の脅威が高まる中、日本などの同盟国に配慮して「核抑止力と拡大抑止(核の傘)の維持は最優先事項だ」と記し、大筋で現行方針を踏襲した。焦点だった核兵器の役割については、「基本的な役割は、米国や同盟国に対する核攻撃を抑止することだ」と明記した。
2022.03.30 ●日本政策金融公庫(東京)が行う新型コロナウイルス対策の特別融資を巡り、貸金業の登録を受けずに仲介したとして、貸金業法違反に問われた元公明党衆院議員の遠山清彦・元財務副大臣(52)の判決が29日、東京地裁であった。丹羽敏彦裁判長は「高い倫理観が求められる当時の立場に照らすと、相応の非難を免れない」と述べ、懲役2年、執行猶予3年、罰金100万円(求刑・懲役2年、罰金100万円)を言い渡した。
2022.03.29 ●米ロサンゼルスで27日(日本時間28日)に開かれた第94回アカデミー賞の授賞式で、濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞した。日本映画の同賞受賞は、外国語映画賞と呼ばれていた2009年の「おくりびと」(滝田洋二郎監督)以来の快挙。
2022.03.28 ●米国のバイデン大統領は26日、ポーランドの首都ワルシャワで演説し、ウクライナ侵攻を命じたロシアのプーチン大統領について、「この男が権力の座にとどまってはならない」と非難した。「自由を愛する国々はこの先何十年と結束を保たなければならない」と述べ、民主主義陣営に向けて、ロシアへの対抗とウクライナ支援を呼びかけた。
2022.03.27 ●北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、米政府は25日、国連安全保障理事会の公開緊急会合で、北朝鮮への安保理制裁を強化する新たな決議案を提案する方針を表明した。中国とロシアは対話の必要性を訴えて制裁強化に反対し、逆に制裁緩和を求める姿勢を示した。
2022.03.26 ●北大西洋条約機構(NATO)と先進7か国(G7)、欧州連合(EU)は24日、ブリュッセルで首脳会談を相次いで開催し、ロシアの軍事侵攻に直面するウクライナへの支援を強め、ロシアに対しては経済・外交的圧力を継続することで一致した。米欧日は、異例の首脳会議集中開催を通じ、ロシア包囲網の強化を確認した。
2022.03.25 ●SMBC日興証券(東京)の幹部らによる相場操縦事件で、東京地検特捜部は24日、同社の佐藤俊弘副社長(59)が特定銘柄の株価を不正に維持した疑いが強まったとして、金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕した。この事件での逮捕者は5人目。
2022.03.24 ●ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は23日、オンライン形式で国会演説を行った。ロシアによる侵攻を非難し、日本の人道支援に謝意を表明した。日本政府に対露制裁の継続と復興支援を求め、安全保障のための国連改革を主導するよう呼びかけた。外国元首も含め、オンラインで国会演説が行われるのは初めて。演説は約12分間行われた。
2022.03.23 ●東京電力と東北電力管内で22日、電力の需給が逼迫し、大規模停電が発生しかねない事態となった。福島県沖の地震による火力発電の停止に加え、両管内で3月下旬としては厳しい寒さに見舞われたことで、電力の使用量が当初予定していた供給力を上回った。夜間にくみ上げた水を放流する「揚水発電」の活用で何とか回避したが、綱渡りの状況は当分続きそうだ。
2022.03.22 ●ロシア外務省は21日、声明を発表し、日本との平和条約締結に向けた交渉を継続するつもりはないと表明した。ウクライナ侵攻に対する日本の対露制裁に強く反発したものだ。声明では、日本と北方領土の間のビザなし交流の停止を決めたと明らかにし、北方領土での共同経済活動に関する協議にも応じない姿勢を示した。
2022.03.21 ●ウクライナに侵攻しているロシア軍に包囲されている南東部マリウポリの当局は20日、市民ら約400人が避難する美術学校が19日に爆撃を受けたと明らかにした。民間人の避難場所に対する無差別的攻撃が相次いでいる。米国などが軍事作戦が「行き詰っている」との見方を強めている中、露軍による攻撃の一層の過激化が懸念されている。
2022.03.20 ●米中首脳が18日に行ったテレビ電話会談で、米国のバイデン大統領は、中国がロシアに経済的・軍事的支援を行わないよう、強くけん制した。対中経済制裁の発動を示唆したとみられる。中国の習近平国家主席は、ロシアの軍事侵攻を非難せず、米欧の対露制裁を批判した。
2022.03.19 ●ロシアの治安当局がウクライナ侵攻を巡って露軍に関する「虚偽情報」を発信したとして、SNS利用者らの摘発に乗り出した。プーチン露大統領が最近、米欧に同調し侵攻に反対する国民を「裏切り者」と呼び、「浄化する」との方針を示したことを受けた動きだ。徹底弾圧を通じ、反戦機運の封じ込めを図るとみられる。
2022.03.18 ●政府は17日、新型コロナウイルス対策として18都道府県に適用している「まん延防止等重点措置」について、21日の期限で全面解除することを決めた。改定した基本的対処方針には、重点措置下でのイベントや移動の制限を緩和する方針を明記した。
2022.03.17 ●16日午後11時36分頃、福島県沖を震源とする地震があり、宮城県登米市と蔵王町、福島県相馬市、南相馬市、国見町で震度6強を観測した。気象庁によると、震源の深さは約60㌔、地震の規模を示すマグニチュードは7.3と推定される。同庁は宮城、福島両県に津波注意報を発表し宮城・石巻港で20㌢の津波が確認された。東北新幹線が脱線したが、乗客にけがはないという。
2022.03.16 ●ロシアのプーチン政権の統制下にある国営テレビ「第1チャンネル」で14日、ニュース番組の放送中に、「戦争をやめて。プロパガンダを信じないで」などと書かれた紙を持ったテレビ局の女性職員が突然、登場し、ロシアのウクライナ侵攻に抗議した。女性職員は拘束された。
2022.03.15 ●2019年7月の参院選を巡る大規模買収事件で、検察当局は14日、河井克行・元法相(59)(実刑確定)側から現金を受領した100人のうち、広島県議ら9人を公職選挙法違反(被買収)で在宅で正式起訴し、25人を略式起訴したと発表した。
2022.03.14 ●ロシア軍占拠後、今月9日から電源が失われていたウクライナ北部のチェルノブイリ原子力発電所について、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、損傷した送電線の一部を修理したしたことで外部からの電源供給が復旧したと明らかにした。
2022.03.13 ●先進7か国(G7)は11日(日本時間12日)、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの貿易上の優遇措置を取り消し、ロシア製品に高関税を課すことを目指す共同声明を発表した。日米欧が協調した追加の経済制裁となる。資産凍結や特産品、原油関連の輸入禁止をはじめ、G7によるプーチン政権への圧力は一段と高まっている。
2022.03.12 ●岸田首相は11日、韓国の次期大統領に決まった尹錫悦氏と初めて電話で会談した。両氏は日韓関係改善のため協力するとともに、北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致問題について緊密に連携することで一致した。できるだけ早期に対面での会談を実現することも確認した。
2022.03.11 ●9日投開票された韓国大統領選で、保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦候補(61)が左派系与党「共に民主党」の李在明候補(57)を僅差で破り、当選した。尹氏は10日、「未来志向の日韓関係を作る」と述べた。戦後最悪と評される日韓関係の改善に期待がかかる。
2022.03.10 ●米国防総省高官は8日、ウクライナに侵攻しているロシア軍が首都キエフの包囲網を3方向から狭め、総攻撃への準備を進めているとの分析を明らかにした。各地で激しい市街戦が展開される恐れが強まっているが、住民の退避は思うように進んでいない。
2022.03.09 ●ロシア国防省は8日、同日午前9時(日本時間8日午後4時)から、ウクライナの首都キエフなど5都市に限り、民間人退避のため、一時的に攻撃を停止したと発表した。ロイター通信などによると、ウクライナ側が設けた退避ルートは露軍の砲撃を受けた。露軍の「一時停戦」は総攻撃に向けた準備の一環とみられており、住民退避は時間との闘いの様相を呈している。
2022.03.08 ●外務省は7日、ロシア全土の危険情報(4段階)をレベル3の「渡航中止勧告」に引き上げた。ウクライナ侵攻で航空便の運航停止が相次ぎ、今後、出国手段が限られることなどを理由としている。ウクライナ国境周辺は、既に危険情報が最高レベルの「退避勧告」に引き上げられている。同省は、これからのロシアへの渡航は目的を問わずやめるよう呼びかけている。
2022.03.07 ●ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は6日、一時停戦して住民を退避させる「人道回廊」を設置すると発表していた南東部の港湾都市マリウポリと、東部ボルノバハへの攻撃を続行した。住民は退避できなかった。双方は3度目の停戦協議を7日にも開く予定だが、露軍の攻撃は首都キエフ周辺で激化しており、侵攻を停止する兆しはない。
2022.03.06 ●ロシアが4日に強行したウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所への攻撃に対し、米欧などは国際法に違反したとして問題視し、国連安全保障理事会の4日の緊急会合で、ロシアを激しく非難した。ロシアは攻撃を否定している。国連のローズマリー・ディカルロ事務次官は、原発やダムなどへの攻撃を禁じたジュネーブ条約第1追加議定書に違反したと主張した。
2022.03.05 ●第13回冬季パラリンピック北京大会は4日、開幕した。ロシアのウクライナへの侵攻が続く中、国際パラリンピック委員会(IPC)はロシアと同国を支援するベラルーシの選手の個人資格での出場を一度は容認したが、多くの選手団や選手の反発を受けて3日に一転して認めない決定を下した。ウクライナは20選手がエントリー。刻々と動く国際情勢の中での祭典となる。
2022.03.04 ●ウクライナに対するロシアの軍事侵攻を巡り、国連緊急特別総会は2日、ロシア軍の即時撤退などを求める総会決議を圧倒的な賛成多数で採択した。武力による現状変更を試みるロシアを非難する内容だ。投票結果は、賛成が米欧や日本など141か国で、全193の加盟国の3分の2を超えた。反対はロシア、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリアの5か国にとどまり、中国やインドなど35か国が棄権に回った。
2022.03.03 ●ウクライナに侵攻したロシア軍は2日、東部ハリコフの大学や警察庁舎に攻撃を加えた。首都キエフのテレビ塔へのミサイル攻撃も認めるなど、非軍事施設への攻撃が増え始めた。露側は近く、2回目の停戦協議が行われるとしている。ウクライナ政府は2日、攻撃で2000人以上の民間人が死亡したと発表した。
2022.03.02 ●ウクライナに侵攻しているロシア軍は1日、首都キエフ郊外や東部ハリコフの市街地などで攻撃を一段と強めた。双方が2月28日に初めて臨んだ停戦協議は、近く開かれる次回に結論を持ち越した。ロシアは攻勢を強めて制圧地域を拡大し、交渉を有利に進めようとしている。
2022.03.01 ●トヨタ自動車は28日、3月1日に国内14工場28ラインの稼働を停止すると発表した。部品メーカーのシステム障害で、部品の供給を受けられなくなった。サイバー攻撃を受けた可能性があるという。システム障害が起きたのは、樹脂部品などを製造する小島プレス工業。トヨタ広報は、「トヨタのシステムに異常はない」としている。