2022.08.31 ●岸田首相は31日に記者会見を行い、新型コロナウイルスの水際対策の緩和について、9月7日から1日当たりの入国者数の上限を現行の2万人から5万人に引き上げることを表明する。添乗員なしのパッケージツアーも受け入れる方針だ。政府は「第7波」の状況を見ながら、上限の撤廃も視野に検討を進める。
2022.08.30 ●政府は新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に対応した新たなワクチンについて、10月半ばを想定していた接種開始を9月中に前倒しする方向で調整に入った。従来のワクチンを2回以上接種した18歳以上が対象で、無料で受けられる「臨時接種」とする方針だ。専門家分科会での審議と薬事承認を経て正式決定する。
2022.08.29 ●日本主導でアフリカ開発の支援を議論するため、北アフリカ・チュニジアで開かれた「第8回アフリカ開発会議」(TICAD8)は28日午後(日本時間同日夜)、成果文書「チュニス宣言」を採択し、閉幕した。宣言では、対中国を念頭に、国際ルールを順守した開発金融の重要性を確認した。
2022.08.28 ●ニューヨークの国連本部で開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は26日、ロシアの反対表明で最終文書案を採択できず、決裂した。前回2015年に続く決裂で、2回連続は1970年の条約発効以来初めてとなる。ロシアのウクライナ侵略で核の脅威が高まる中、NPT体制への信頼を揺るがす結果となった。
2022.08.27 ●政府は26日の閣議で、9月27日に東京・日本武道館で行う安倍晋三・元首相の国葬(国葬儀)に、予備費から2億4940万円を支出すると決定した。6000人程度の参列者を見込み、別会場で一般献花も行う。当日は各省庁で弔旗は掲揚する方針だが、弔旗の掲揚や黙とうを求める閣議了解は見送った。
2022.08.26 ●安倍晋三・元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃されて死亡した事件で、警察庁の中村格(いたる)長官(59)と、奈良県警の鬼塚友章本部長(50)は25日、それぞれ辞意を表明した。警察庁は同日、現場の不手際と計画段階の不備が重なったとする警護の検証結果を公表した。
2022.08.25 ●岸田首相は24日、これまでに再稼働した原子力発電所10基(うち現在運転中は6基)に加え、来夏以降に追加で7基の再稼働を目指す方針を表明した。原発の新増設や建て替え、次世代型原子炉の開発についても年末までに具体的な結論を出せるよう、検討の加速を指示した。政府は原発の新増設や建て替えはこれまで「想定していない」としてきたが、方針を転換する。
2022.08.24 ●厚生労働省は23日、各都道府県の審議会が取りまとめた今年度の最低賃金(時給)の改定額を発表した。全国平均は昨年度から31円増の961円。上昇率は3.3%で、引き上げ幅、上昇率ともに過去最大となった。厚労省の諮問機関・中央最低賃金審議会の示した目安(全国平均31円)を22道県で1~3円上回った。
2022.08.23 ●トラック大手の日野自動車は22日、排ガスの性能試験を巡る不正が新たに小型トラック用のエンジンでも見つかったと発表した。対象車種の出荷は止めた。日野はすでに不正が発覚した大・中型のトラックやバスの出荷を停止しており、これで自社製エンジンを積んだ国内向けの全車種が販売できなくなる。
2022.08.22 ●政府は21日、岸田首相が新型コロナウイルスに感染したと発表した。30日まで首相公邸で療養し、公務はオンラインを活用して実施する。現職首相の新型コロナ感染が確認されたのは初めて。政府関係者によると、首相は27~28日にチュニジアで開かれるアフリカ開発会議(TICAD)への出席を見送り、オンラインでの参加を検討する。アフリカ訪問後に調整していたカタールなどへの中東訪問も延期する見通しだ。
2022.08.21 ●政府が導入を決めている長射程巡航ミサイルについて、1000発以上の保有を検討していることがわかった。台湾有事も念頭に、南西諸島から九州を中心に配備し、弾道ミサイルを多数配備する中国との「ミサイル・ギャップ」を埋める狙いがある。
2022.08.20 ●総務省が19日発表した7月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合が102.2となり、前年同月と比べ2.4%上昇した。上昇は11か月連続で、日本銀行が物価目標とする2%を4ヶ月連続で超えた。資源価格の上昇や円安で、エネルギーや食品を始め幅広い品目に影響が広がっている。
2022.08.19 ●日中両政府は18日、秋庭剛男国家安全保障局長と中国外交トップの楊潔籝(よう・けつち)共産党政治局員が17日に中国・天津で会談したと発表した。来月29日に日中国交正常化50年を迎えることを踏まえ、日中両国の「建設的かつ安定的な関係」の構築に向け、双方が努力する必要があるとの認識で一致し、対話を継続することを確認した。
2022.08.18 ●東京五輪・パラリンピックで、大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」側から計5100万円の賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部は17日、大会組織委員会の理事だった高橋治之容疑者(78)を受託収賄容疑で逮捕した。AOKI創業者で前会長の青木拡憲容疑者(83)ら3人も贈賄容疑で逮捕。
2022.08.17 ●韓国軍合同参謀本部は16日、米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・シールド(自由の盾)」を22日から9月1日まで実施すると発表した。5月に尹錫悦政権が発足して初めての定例演習で、北朝鮮に対する抑止力を強化するため、2018年春以来、約4年ぶりとなる大規模な野外機動訓練も行う。
2022.08.16 ●韓国の尹錫悦大統領は、日本統治からの解放を記念する「光復節」の式典で演説し、「韓日関係を速やかに回復し、発展させる」と関係改善に改めて意欲を示した。北朝鮮に対しては、非核化を前提とした経済支援策を提示した。尹氏は日本について、「政治的支配から脱するべき対象」から、「力を合わせて進むべき隣国」になったと表現した。協力関係を再構築すべきだとの考えを前面に出し、日本への批判や注文は避けた。
2022.08.15 ●台湾外交部(外務省)は14日、米議会のエドワード・マーキー上院議員ら5人の超党派の上下両院議員団が同日、台湾に到着したと発表した。15日に蔡英文総統と会談する予定で、米台の安全保障や経済貿易関係について意見交換する。中国が再び反発する可能性がある。
2022.08.14 ●日英両政府は航空自衛隊と英空軍の次期戦闘機について、双方の開発計画を統合し、共通機体を共同開発する方向で最終調整に入った。次期戦闘機に求める性能がほぼ一致していることに加え、開発費の抑制が図れると判断した。日本政府は完成品の海外輸出を念頭に、防衛装備移転3原則の運用指針の改定を本格検討する。
2022.08.13 ●ロシア軍が占拠しているウクライナ南部のザポリージャ原発に砲撃が相次いでいることを受け、国連のアントニオ・グテレス事務総長は11日の声明で、安全確保のため原発周辺に非武装地帯を設定するよう求めたが、ロシアは拒否した。グテレス氏は軍事活動の即時停止も求めたが、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は記者団に、露軍部隊の駐留を続ける考えを示した。
2022.08.12 ●11日の外国為替市場の円相場は一時、1㌦=131円台後半まで上昇した。10日の東京市場で大方の取引を終えた夕方に比べ、3円以上円高・ドル安となった。米連邦準備制度理事会(FRB)による急速な利上げ観測が後退し、円が買われた。
2022.08.11 ●第2次岸田改造内閣は10日、皇居での認証式を経て発足した。全19閣僚のうち14ポストを入れ替えて大幅な刷新を図りつつ、多くの閣僚経験者を据え、即戦力と実務を重視する布陣とした。首相は同日の記者会見で、「有事に対応する政策断行内閣だ」と強調した。
2022.08.10 ●総務省は9日、住民基本台帳に基づく国内の日本人の総人口(今年1月1日現在)を発表した。前年比61万9140人(0.50%)減の1億2322万3561人で、13年連続で減少した。減少幅は過去最大だった。地方での人口減は続いており、各自治体が対策に力を入れている。
2022.08.09 ●国立の東京医科歯科大(田中裕次郎学長)と東京工業大(益一哉学長)は8日、統合に向けた協議開始を決定した。9日にも正式発表する。互いに強みを持つ医療や工学など異分野融合の先端研究を展開し、政府が年数百億円を支援する「国際卓越研究大学」の認定獲得を目指す。
2022.08.08 ●アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発して中国軍が台湾周辺で行っていた大規模な軍事演習は7日、事前に予告した4日間の日程を終えた。中国軍の関係者は、今回の演習で武力による統一を決めた場合の動き方を検証したことを示唆していて、今後も台湾に対する圧力を強めていくものとみられる。
2022.08.07 ●広島への原爆投下から77年となった6日、広島市中区の平和記念公園で平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)が営まれた。被爆者、遺族、各国駐日大使ら2854人が参列し、原爆が投下された時刻の午前8時15分に黙とうをささげた。国連のアントニオ・グテレス事務総長が、現職事務総長としては12年ぶりに出席した。ウクライナ侵略を続けるロシアの駐日大使は招待されなかった。
2022.08.06 ●カンボジアの首都プノンペンでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議は、台湾問題やウクライナ情勢を巡り、米国や日本と、中国やロシアの対立が激しくなる中で行われた。出席者は非難合戦を繰り広げた。林氏の発言時、中国の王毅国務委員兼外相、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が退席した。日本への抗議とみられ、ロシアのウクライナ侵攻以降、接近する中露の共同歩調が際立った。
2022.08.05 ●中国軍は4日、台湾を取り囲む6か所の海空域で、弾道ミサイルなどの発射を含む「重要軍事演習」を開始した。ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問への対抗措置で、台湾封鎖などを念頭に置いた異例の大規模演習となる。日本政府によると、中国の弾道ミサイル5発が初めて日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。演習は7日まで続く予定で、日本や台湾は警戒を強めている。
2022.08.04 ●石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国による「OPECプラス」は3日、オンラインで閣僚級会合を開き、9月の生産目標量を前月比で日量10万バレル引き上げる増産で合意した。増産量は小幅で、原油の需給に与える影響は限定的となりそうだ。
2022.08.03 ●アジア歴訪中のナンシー・ペロシ米下院議長は2日夜、米軍機で台北に到着した。中国は猛反発し、その直後の同日夜に外務省声明を出してペロシ氏の訪台を強く非難した。4~7日には、台湾を取り巻く海域6か所で実弾射撃訓練を実施するとも通告し、軍事的圧力をさらに強める構えを見せた。
2022.08.02 ●今年度の最低賃金(時給)の目安を決める中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は1日夜、引き上げ額の目安を全国平均で31円と決めた。急激に進む物価高を背景に引き上げ幅は28円だった昨年度を上回り、過去最高額を更新。上昇率も3.3%で過去最大。目安通りに改定されれば最低賃金の全国平均は961円(現在は930円)となる。
2022.08.01 ●ロシアのプーチン大統領は7月31日、「海軍の日」に合わせて西部サンクトペテルブルクで実施された水上軍事パレードで演説し、米国のミサイル防衛網の突破が可能とされる極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」の本格配備を数か月以内に開始すると述べ、海軍を強化する立場を表明した。